Webページを作るためには、HTML, CSS, JavaScriptという3つの言語を使うことが一般的です。しかし、これらの言語はそれぞれ何をするのでしょうか?どのように違うのでしょうか?また、これらの言語はどのように相互作用し、連携してWebページを構成するのでしょうか?
HTMLとは|Webページの構造と内容を定義する言語
Webページを作成するには、HTMLという言語を使います。
HTMLとは、HyperText Markup Languageの略で、ハイパーテキストとマークアップという2つの概念を組み合わせたものです。
ハイパーテキストとは、Webページの中にリンクを埋め込むことで、別のページやリソースにジャンプできるようにする技術です。マークアップとは、文書にタグと呼ばれる特殊な記号を付けることで、その部分の意味や機能を明示する方法です。
HTMLでは、タグを使ってWebページの構造や内容を定義します。例えば、見出しや段落、画像や動画、リストや表などの要素をタグで囲んで記述します。HTMLは、Webブラウザによって解釈され、画面に表示されます。
HTMLの歴史とバージョン|HTMLの発展と標準化の過程
HTMLの誕生は、1989年に遡ります。その当時、イギリスの物理学者ティム・バーナーズリーは、スイスのCERN(欧州原子核研究機構)で働いていました。彼は、世界中の研究者が情報を簡単に共有できるようなシステムの構築を目指し、HTMLを含むWeb技術の原型を開発しました。バーナーズリーは、テキスト中にリンクを埋め込むことで、異なる文書やリソースを相互に参照できる「ハイパーテキスト」という概念をHTMLに導入しました。また、既存のマークアップ言語であるSGML(Standard Generalized Markup Language)をベースに、Webページの構造を定義するための独自のタグセットを開発しました。以上のような流れの中で、HTMLはWeb上の文書を表現するためのマークアップ言語として誕生しました。
HTMLは、その後もさまざまな改良や拡張が行われ、バージョンアップが繰り返されました。また、Web技術の標準化を推進するために、1994年にW3C(World Wide Web Consortium)という非営利の団体が設立されました。W3Cは、HTMLの仕様を定める勧告を発行し、Webブラウザや開発者に対してガイドラインを提供しました。W3Cの勧告に従って作られたHTML文書は、様々なWebブラウザで正しく表示されることが期待されます。W3Cは、現在もWeb技術の標準化や教育活動を行っています。
HTMLの主なバージョンとその特徴は以下の通りです。
- HTML 1.0(1991年):最初のHTMLのバージョン。18種類のタグが定義された。
- HTML 2.0(1995年):W3Cの最初のバージョン。フォームやテーブルなどの要素が追加された。
- HTML 3.2(1997年):W3Cの二番目のバージョン。フォントや色などの装飾的な要素が追加された。
- HTML 4.01(1999年):W3Cの三番目のバージョン。CSSやスクリプトとの連携が強化された。
- XHTML 1.0(2000年):XMLの文法で書かれたHTMLのバージョン。厳密なルールが設けられた。
- HTML5(2014年):W3Cの四番目のバージョン。ビデオや音声、キャンバスなどの要素が追加された。
HTMLの最新バージョン
HTMLの最新バージョンは、HTML5ではなく、HTML Living Standardと呼ばれるものです 。HTML Living Standardは、HTMLの仕様を定める団体であるW3CとWHATWGが共同で策定しているもので、順次更新されています 。HTML Living Standardは、HTML5から変更・追加・廃止された要素や属性が多数あります 。HTML Living Standardは、Webブラウザや開発者に対して、最新のWeb技術のガイドラインを提供しています 。
HTML Living Standardの主な変更点としては、以下のようなものが挙げられます 。
<dialog>
要素の追加:モーダルダイアログやポップアップウィンドウを作成するための要素です。<picture>
要素の追加:複数の画像ソースを指定し、ブラウザやデバイスに応じて最適な画像を表示するための要素です。<template>
要素の追加:再利用可能なHTMLの断片を定義するための要素です。<main>
要素の追加:文書のメインコンテンツを表すための要素です。<bdi>
要素の追加:右から左に書かれたテキストや逆方向のテキストを扱うための要素です。<menuitem>
要素の廃止:メニューの項目を表すための要素ですが、使用されなくなったため廃止されました。<keygen>
要素の廃止:暗号化のためのキーを生成するための要素ですが、セキュリティの問題や代替手段の存在などの理由で廃止されました。<time>
要素の変更:日付や時刻を表すための要素ですが、datetime
属性の書式が変更されました。<input>
要素の変更:ユーザーの入力を受け付けるための要素ですが、type
属性の値にcolor
やrange
などが追加されました。
以上が、HTMLの最新バージョンとその特徴についての紹介です。HTMLは、Webページの骨格を作るための言語ですが、その仕様は常に進化しています。HTML Living Standardに沿って、最新のWeb技術を学びましょう。
HTMLの基本構造と要素|HTMLのドキュメントタイプとタグの種類
HTML文書を作成するには、基本的な構造と要素を理解する必要があります。HTML文書は、以下のような形式で記述されます。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<!-- ヘッダー情報 -->
</head>
<body>
<!-- 本文 -->
</body>
</html>
この構造には、以下の要素が含まれます。
<!DOCTYPE html>
:ドキュメントタイプ宣言。この文書がHTMLであることを宣言する。<html>
:html要素。この文書がHTMLの文書であることを表す。lang
属性で言語を指定する。<head>
:head要素。この文書のメタデータ(文書に関する情報)を記述する。例えば、<title>
タグで文書のタイトルを、<meta>
タグで文書の文字コードや説明文を、<link>
タグで外部のスタイルシートやアイコンを指定する。<body>
:body要素。この文書の本文(Webページに表示される内容)を記述する。例えば、<h1>
タグで見出しを、<p>
タグで段落を、<img>
タグで画像を、<a>
タグでリンクを記述する。
HTMLの文法とルール|HTMLの属性と値、コメントとエスケープの方法
HTMLを書くときには、文法とルールに従う必要があります。HTMLの文法とルールには、以下のようなものがあります。
- 属性と値
-
タグには、属性と値を指定することができます。属性とは、タグの機能や振る舞いを制御するためのパラメーターです。値とは、属性に対して具体的な内容を指定するための文字列です。属性と値は、タグの中に
属性名="属性値"
の形式で記述します。例えば、<img src="image.jpg" alt="画像の説明">
というタグでは、src
とalt
が属性名で、"image.jpg"
と"画像の説明"
が属性値です。属性と値は、必ずダブルクォーテーションで囲みます。 - コメント
-
HTMLでは、コメントと呼ばれるメモや説明を記述することができます。コメントは、
<!--
と-->
で囲むことで、Webブラウザに無視されます。コメントは、自分や他の人がHTMLのコードを理解しやすくするために役立ちます。例えば、<!-- ここからヘッダー -->
というコメントは、ヘッダーの部分を示すために使われます。 - エスケープ
-
HTMLでは、特殊な意味を持つ文字をそのまま表示することができません。例えば、
<
や>
はタグの開始と終了を表すため、そのまま表示するとタグとして解釈されてしまいます。このような文字を表示するには、エスケープと呼ばれる方法を使います。エスケープとは、特殊な文字を別の文字列に置き換えることで、その文字の本来の意味を無効化する方法です。例えば、<
は<
に、>
は>
に置き換えます。このようにすると、Webブラウザはこれらの文字列をタグではなく、普通の文字として表示します。エスケープには、他にも&
や"
などの文字列があります。エスケープは、HTMLの文法を守るために重要なルールです。
以上が、HTMLの基本的な構造と要素、文法とルールについての説明です。HTMLは、Webページの骨格を作るための言語です。次の章では、Webページの見た目を作るための言語であるCSSについて学びます。
CSSとは|Webページの見た目とレイアウトを設定する言語
Webページの見た目とレイアウトを設定する言語として、CSSはウェブ開発に欠かせないものです。しかし、CSSはどのようにして生まれたのでしょうか?また、CSSはどのようにして書くのでしょうか?この章では、CSSの歴史とバージョン、基本構造とセレクタ、文法とルールについて解説します。
CSSの歴史とバージョン|CSSの発展と標準化の過程
CSSとは、Cascading Style Sheets(カスケーディング・スタイル・シート)の略で、ウェブページのスタイルやレイアウトを定義するための言語です。CSSは、1994年に欧州原子核研究機構(CERN)に勤務するホーコン・ウィウム・リーによって提唱されました。当時、ウェブページはHTMLだけで作られており、見た目を変えるにはHTMLのタグを使うしかありませんでした。しかし、これでは文書の構造と見た目が混在してしまい、メンテナンスや再利用が困難になりました。そこで、HTMLは文書の構造を担うものとし、見た目はCSSで別に設定するという考え方が生まれたのです。
CSSの最初のバージョンであるCSS1は、1996年に発足したW3C(World Wide Web Consortium)によって勧告されました。CSS1では、フォントの装飾変更や背景色、テキストやリスト、ボックスのプロパティなどが指定できました。その後、1998年にCSS2が勧告され、メディアクエリや絶対配置、テーブルのレイアウトなどの機能が追加されました。しかし、CSS2の仕様は不明瞭であり、ブラウザ間での対応が異なりました。そのため、2011年にCSS2.1が勧告され、不明瞭な部分や非互換性のある機能が削除または修正されました。
CSS3は、CSS2.1の上位互換ではなく、CSS2.1と区別された各モジュールに分けて別々に標準化されています。CSS3では、モジュールごとに新しい機能やプロパティが追加されており、現在も開発が進められています。例えば、CSS3では、アニメーションやグラデーション、変形や遷移、フレックスボックスやグリッドレイアウトなどのモジュールがあります。CSS3のモジュールは、それぞれにレベルがあり、レベルが高いほど新しい仕様を表します。たとえば、セレクターのモジュールは、レベル4まで存在します。
CSS4は、CSS3の次のバージョンとして2013年に最初の草案が発表されました。しかし、CSS4は正式な名称ではなく、CSS3のモジュールの一部として扱われています。CSS4では、新しいセレクターやメディアクエリ、変数やカスタムプロパティなどの機能が提案されています。CSS4の仕様はまだ草案段階であり、ブラウザの対応状況もまだ不十分です。
CSSの歴史とバージョンを知ることで、CSSの発展と標準化の過程を理解することができます。CSSは常に進化しており、ウェブページの見た目とレイアウトをより柔軟に設定できるようになっています。CSSの最新の仕様やブラウザの対応状況は、W3CやCan I useなどのサイトで確認できます。
CSSの基本構造とセレクタ|CSSの宣言とルールセット、セレクタの種類と優先順位
セレクタの種類と優先順位</H3> CSSの基本構造は、セレクタと宣言からなるルールセットという形式になっています。セレクタは、スタイルを適用する対象を指定するもので、宣言は、スタイルの内容を指定するものです。宣言は、プロパティと値の組み合わせで表されます。
例えば、以下のコードは、p要素の文字色を赤にするというルールセットです。
p {
color: red;
}
ここで、pはセレクタで、colorはプロパティで、redは値です。ルールセットは中括弧で囲まれ、プロパティと値はコロンで区切られ、宣言はセミコロンで区切られます。このように、CSSの文法は厳密に決められており、文法に従わないと正しく動作しません。
セレクタには、さまざまな種類があります。代表的なものを以下に紹介します。
- 要素セレクタ:HTMLの要素名を指定するセレクタです。例えば、pやh1などです。指定した要素に含まれるすべての要素にスタイルが適用されます。
- IDセレクタ:HTMLのid属性を指定するセレクタです。先頭に#を付けて、idの値を書きます。例えば、#mainや#logoなどです。idはページ内で一意でなければならないので、IDセレクタは一つの要素にしかスタイルを適用できません。
- クラスセレクタ:HTMLのclass属性を指定するセレクタです。先頭に.を付けて、classの値を書きます。例えば、.titleや.errorなどです。classはページ内で複数の要素に共通で使えるので、クラスセレクタは複数の要素にスタイルを適用できます。
- 属性セレクタ:HTMLの任意の属性を指定するセレクタです。属性名や属性値を角括弧で囲んで書きます。例えば、[src]や[alt=“logo”]などです。属性セレクタは、属性名や属性値によって細かく要素を選択できます。
- 擬似クラスセレクタ:HTMLの要素が特定の状態にあるときに適用されるセレクタです。コロンで始まるキーワードを書きます。例えば、:hoverや:checkedなどです。擬似クラスセレクタは、ユーザーの操作や要素の順序などに応じてスタイルを変化させることができます。
- 擬似要素セレクタ:HTMLの要素の一部に適用されるセレクタです。二重コロンで始まるキーワードを書きます。例えば、::beforeや::first-lineなどです。擬似要素セレクタは、要素の前後や最初の文字などにスタイルを適用できます。
- 組み合わせセレクタ:複数のセレクタを組み合わせて、より詳細に要素を選択するセレクタです。空白や記号でセレクタをつなげます。例えば、p.errorやdiv > pなどです。組み合わせセレクタは、要素の階層や関係性に基づいてスタイルを適用できます。
セレクタには、優先順位というものがあります。優先順位とは、複数のセレクタが同じ要素に対して異なるスタイルを指定したときに、どのセレクタのスタイルが優先されるかを決めるものです。優先順位は、以下のルールに従って決まります。
- 重要度:!importantというキーワードを付けた宣言は、他の宣言よりも優先されます。
- 出典:ユーザーエージェント(ブラウザ)のスタイルシートよりも、開発者のスタイルシートが優先されます。開発者のスタイルシートよりも、ユーザーのスタイルシートが優先されます。
- 特異性:セレクタの特異性とは、セレクタの詳細度を数値で表したものです。特異性の高いセレクタは、特異性の低いセレクタよりも優先されます。特異性は、以下のように計算されます。
- IDセレクタは、100点とする。
- クラスセレクタ、属性セレクタ、擬似クラスセレクタは、10点とする。
- 要素セレクタ、擬似要素セレクタは、1点とする。
- 組み合わせセレクタや否定セレクタは、無視する。
- 例えば、p#mainは101点、div.errorは11点、h1は1点となる。
- 順序:同じ優先順位のセレクタがある場合は、後に書かれたセレクタが優先されます。
CSSの基本構造とセレクタを知ることで、CSSの文法とルールを理解することができます。CSSは、セレクタと宣言からなるルールセットで、ウェブページの見た目とレイアウトを設定できます。
CSSの文法とルール|CSSのプロパティと値、単位とカラーコードの方法
CSSの文法とルールを知るには、プロパティと値、単位とカラーコードについても理解する必要があります。プロパティと値は、スタイルの内容を指定するもので、プロパティはスタイルの種類を、値はスタイルの具体的な内容を表します。単位とカラーコードは、値を表現するための方法で、単位は長さや角度などの量を、カラーコードは色を表します。
プロパティと値には、さまざまな種類があります。代表的なものを以下に紹介します。
- 色を指定するプロパティと値
-
色を指定するプロパティには、
color
やbackground-color
などがあります。色を指定する値には、カラーコードやカラー名などがあります。例えば、color: red;
やbackground-color: #ff0000;
などです。 - テキストを指定するプロパティと値
-
テキストを指定するプロパティには、
font-family
やfont-size
、text-align
やtext-decoration
などがあります。テキストを指定する値には、フォント名や単位、キーワードなどがあります。例えば、font-family: Arial, sans-serif;
やfont-size: 16px;
、text-align: center;
やtext-decoration: underline;
などです。 - ボックスを指定するプロパティと値
-
ボックスを指定するプロパティには、
width
やheight
、margin
やpadding
、border
やbox-shadow
などがあります。ボックスを指定する値には、単位やキーワード、カラーコードなどがあります。例えば、width: 100%;
やheight: 200px;
、margin: 10px auto;
やpadding: 20px;
、border: 1px solid black;
やbox-shadow: 5px 5px 10px gray;
などです。
単位とカラーコードには、以下のような種類があります。
- 単位
-
長さや角度などの量を表すための単位です。単位には、相対単位と絶対単位があります。相対単位は、他の要素やブラウザの設定に依存して変化する単位です。例えば、
em
やrem
、%
やvw
などです。絶対単位は、固定された値を持つ単位です。例えば、px
やcm
、deg
やrad
などです。 - カラーコード
-
色を表すためのコードです。カラーコードには、RGBやHSL、HEXなどの形式があります。RGBは、赤・緑・青の3原色の割合で色を表します。例えば、
rgb(255, 0, 0)
は赤色です。HSLは、色相・彩度・明度の3要素で色を表します。例えば、hsl(0, 100%, 50%)
は赤色です。HEXは、16進数でRGBの値を表します。例えば、#ff0000
は赤色です。
CSSの文法とルールを知ることで、CSSのプロパティと値、単位とカラーコードを理解することができます。CSSは、プロパティと値の組み合わせで、ウェブページの見た目とレイアウトを設定できます。
JavaScriptとは|Webページに動きと機能を追加する言語
JavaScriptは、Webページに動的な動きやインタラクティブな機能を追加するためのプログラミング言語です。HTMLやCSSと組み合わせて、ユーザーの操作に応じてページの内容や見た目を変更したり、フォームの入力チェックやデータの送受信などを行ったりできます。JavaScriptはブラウザだけでなく、サーバーやデスクトップアプリケーション、モバイルアプリケーションなどでも広く使われています。
JavaScriptの歴史とバージョン|JavaScriptの発展と標準化の過程
JavaScriptは、1995年にNetscape社のブレンダン・アイクによって開発されました。当時、Javaが人気を集めていたため、JavaScriptという名前になりましたが、Javaとは異なるプログラミング言語です。JavaScriptは、Webブラウザで動作するスクリプト言語として、簡単にWebページに動きを付けることができました。しかし、ブラウザ間で言語仕様が異なっていたため、互換性の問題が多く発生しました。
1997年に、JavaScriptの中核的な仕様がECMAScriptとして標準化されました。ECMAScriptは、Ecma Internationalという国際団体によって策定され、現在ではECMA-262という規格番号で呼ばれます。ECMAScriptは、JavaScriptの基本的な文法やデータ型、組み込みオブジェクトなどを定義していますが、ブラウザで使用するためのAPIや機能は含まれていません。そのため、ブラウザでJavaScriptを使う場合は、ECMAScriptに加えて、DOMやWeb APIなどのブラウザ固有の仕様も必要になります。
ECMAScriptは、年々改訂されて新しい機能や仕様が追加されています。最初のバージョンはECMAScript 1で、1997年に公開されました。その後、ECMAScript 2(1998年)、ECMAScript 3(1999年)と順調に改訂されましたが、ECMAScript 4は仕様の方向性に対する意見の対立から中止されました。その後、ECMAScript 5(2009年)とECMAScript 5.1(2011年)が公開され、JavaScriptの安定性やセキュリティ、拡張性が向上しました。
2015年には、ECMAScript 6(正式にはECMAScript 2015)が公開されました。ECMAScript 6は、JavaScriptの最大の改訂版であり、クラスやモジュール、プロミス、ジェネレーター、シンボルなどの多くの新しい機能や構文が導入されました。ECMAScript 6以降は、毎年新しいバージョンが公開されることになりました。現在の最新版はECMAScript 2021(ECMAScript 12)で、2021年6月に公開されました。
JavaScriptの基本構造とデータ型|JavaScriptの変数と定数、データ型の種類と変換
JavaScriptの基本構造は、変数や定数、データ型、リテラルなどからなります。変数と定数は、データを格納するための記号的な名前です。変数は、値を変更できるもので、定数は、値を変更できないものです。JavaScriptでは、変数や定数を宣言するときに、var、let、constというキーワードを使います。varは古い方法で、スコープや再宣言の問題があります。letとconstは新しい方法で、ブロックスコープを持ち、再宣言ができません。letは変数、constは定数を宣言するときに使います。
データ型とは、データの種類や性質を表すものです。JavaScriptには、プリミティブ型とオブジェクト型の2種類のデータ型があります。プリミティブ型は、不変の単純な値で、以下の7種類があります。
- Boolean(論理型):trueまたはfalseの値を持ちます。
- Number(数値型):整数や小数などの数値を表します。
- BigInt(長整数型):任意の精度の整数を表します。
- String(文字列型):テキストや文字を表します。
- Symbol(シンボル型):一意で不変の値を表します。
- null:何もないことを表す特殊な値です。
- undefined:値が未定義であることを表す特殊な値です。
オブジェクト型は、複雑なデータや機能を持つもので、プロパティやメソッドを持ちます。プロパティは、オブジェクトの属性や特徴を表す値です。メソッドは、オブジェクトの振る舞いや機能を表す関数です。オブジェクト型には、配列や関数、日付や正規表現などの組み込みオブジェクトや、ユーザーが定義したオブジェクトなどがあります。
JavaScriptでは、データ型を調べる方法がいくつかあります。typeof演算子は、プリミティブ型のデータ型を文字列で返します。ただし、nullは”object”と返します。instanceof演算子は、オブジェクト型のデータ型を判定するのに使えます。例えば、配列かどうかを調べるには、array instanceof Arrayとします。Array.isArray()メソッドも同様に配列かどうかを判定できます。Object.prototype.toString()メソッドは、オブジェクトのクラス名を返します。例えば、配列の場合は”[object Array]”と返します。
JavaScriptでは、データ型の変換が自動的に行われることがあります。これを暗黙的型変換と呼びます。例えば、数値と文字列を加算すると、数値が文字列に変換されて連結されます。逆に、データ型の変換を明示的に行うこともできます。これを明示的型変換と呼びます。例えば、文字列を数値に変換するには、Number()関数やparseInt()関数などを使います。
JavaScriptの文法とルール|JavaScriptの演算子と式、制御構造と関数の方法
JavaScriptの文法とルールを知るには、演算子と式、制御構造と関数についても理解する必要があります。演算子と式は、データを操作するためのもので、演算子はデータに対して行う操作を、式は操作の結果を表します。制御構造と関数は、プログラムの流れを制御するためのもので、制御構造はプログラムの分岐や繰り返しを、関数はプログラムの一部をまとめて再利用できるようにします。
演算子と式には、さまざまな種類があります。代表的なものを以下に紹介します。
- 算術演算子
-
数値の計算を行う演算子です。例えば、+や-、*や/などです。算術演算子は、数値に対して使いますが、文字列に対して+を使うと、文字列の連結になります。
- 比較演算子
-
値の大小や等しさを比較する演算子です。例えば、<や>、==や===などです。比較演算子は、真偽値(trueまたはfalse)を返します。==は値の等価性を、===は値と型の厳密な等価性を比較します
- 論理演算子
-
真偽値の組み合わせを行う演算子です。例えば、&&や||、!などです。&&は両方の値が真であれば真を、||はどちらかの値が真であれば真を、!は値の否定を返します。
- 代入演算子
-
変数に値を代入する演算子です。例えば、=や+=、-=などです。=は右辺の値を左辺の変数に代入します。+=は右辺の値を左辺の変数に加算して代入します。-=は右辺の値を左辺の変数から減算して代入します
- 三項演算子
-
条件によって値を選択する演算子です。例えば、
条件 ? 値1 : 値2
という形式です。条件が真であれば値1を、偽であれば値2を返します。
制御構造と関数には、以下のような種類があります。
- if文:条件によって処理を分岐する制御構造です。例えば、
if (条件) {処理1} else {処理2}
という形式です。条件が真であれば処理1を、偽であれば処理2を実行します。elseは省略できます。 - switch文:値によって処理を分岐する制御構造です。例えば、
switch (値) {case 値1: 処理1; break; case 値2: 処理2; break; default: 処理3; break;}
という形式です。値が値1であれば処理1を、値2であれば処理2を、どれにも当てはまらなければ処理3を実行します。breakは処理の終了を表します。 - for文:条件が真である間、処理を繰り返す制御構造です。例えば、
for (初期化; 条件; 更新) {処理}
という形式です。初期化で変数を初期化し、条件が真である間、処理を実行し、更新で変数を更新します。 - while文:条件が真である間、処理を繰り返す制御構造です。例えば、
while (条件) {処理}
という形式です。条件が真である間、処理を実行します。 - 関数:処理をまとめて名前を付けたものです。関数は、引数と呼ばれる値を受け取り、戻り値と呼ばれる値を返すことができます。関数は、functionキーワードやアロー関数という構文で定義できます。例えば、
function 関数名(引数) {処理; return 戻り値;}
やconst 関数名 = (引数) => {処理; return 戻り値;}
という形式です。関数は、関数名(引数)という形で呼び出すことができます。
JavaScriptの文法とルールを知ることで、JavaScriptの演算子と式、制御構造と関数を理解することができます。JavaScriptは、データを操作したり、プログラムの流れを制御したりすることができるプログラミング言語です。
HTML, CSS, JavaScriptの違い
Webページを作るためには、HTML, CSS, JavaScriptの3つの言語を使うことが一般的です。しかし、これらの言語はそれぞれ何をするのでしょうか?どのように違うのでしょうか?この章では、それぞれの言語の役割と特徴を比較してみます。
HTML, CSS, JavaScriptの共通点と相違点
HTML, CSS, JavaScriptの共通点は、すべてWebブラウザで解釈されるテキストベースの言語であるということです。つまり、これらの言語で書かれたコードは、Webブラウザに読み込まれると、Webページとして表示されます。また、これらの言語は、互いに連携してWebページを構成します。HTMLはWebページの構造や内容を定義し、CSSはWebページの見た目やレイアウトを設定し、JavaScriptはWebページの動きや機能を追加します。
HTML, CSS, JavaScriptの相違点は、それぞれの言語の目的と特性にあります。HTMLはHyper Text Markup Languageの略で、マークアップ言語と呼ばれる種類の言語です。マークアップ言語とは、タグと呼ばれる記号を使って、文書の構造や意味を表現する言語です。例えば、<p>
タグは段落を、<h1>
タグは見出しを、<img>
タグは画像を表します。HTMLは、Webページの骨組みを作る言語です。
CSSはCascading Style Sheetsの略で、スタイルシート言語と呼ばれる種類の言語です。スタイルシート言語とは、セレクタと呼ばれる記号を使って、文書の要素を選択し、プロパティと呼ばれる記号を使って、文書の要素のスタイルを指定する言語です。例えば、p {color: red;}
というコードは、段落の文字色を赤にするという意味です。CSSは、Webページの装飾をする言語です。
JavaScriptは、プログラミング言語と呼ばれる種類の言語です。プログラミング言語とは、変数や定数、データ型、演算子、制御構造、関数などを使って、データを操作したり、プログラムの流れを制御したりする言語です。例えば、var x = 10;
というコードは、変数xに10という値を代入するという意味です。JavaScriptは、Webページに動的な動きやインタラクティブな機能を追加する言語です。
HTML, CSS, JavaScriptの相補性と依存性
HTML, CSS, JavaScriptは、それぞれ異なる目的と特性を持つ言語ですが、互いに連携してWebページを構成します。そのため、それぞれの言語の強みと弱みを理解することで、Webページの品質や効率を向上させることができます。
- 強み:Webページの構造や内容を簡単に定義できること
-
HTMLは、タグと呼ばれる記号を使って、文書の要素や意味を表現できます。例えば、見出しや段落、リストや表、画像やリンクなどの要素をタグで囲むことで、Webページの骨組みを作ることができます。また、HTMLは、ブラウザによって自動的に解釈されるので、特別な環境やツールがなくてもWebページを作成できます。
- 弱み:Webページの見た目や動きを制御できないこと
-
HTMLは、文書の構造や内容を定義する言語であって、文書の見た目や動きを定義する言語ではありません。例えば、HTMLでは、文字の色やサイズ、要素の位置や大きさ、要素の表示や非表示、要素の動きや変化などを指定することができません。そのため、HTMLだけでは、Webページの装飾や機能を追加することができません。
- 強み:Webページの見た目やレイアウトを柔軟に設定できること
-
CSSは、セレクタと呼ばれる記号を使って、文書の要素を選択し、プロパティと呼ばれる記号を使って、文書の要素のスタイルを指定できます。例えば、CSSでは、文字の色やサイズ、要素の位置や大きさ、要素の表示や非表示、要素の動きや変化などを指定することができます。また、CSSは、メディアクエリやカスケーディングという機能を使って、ブラウザやデバイスに応じてスタイルを変更したり、複数のスタイルを組み合わせたりできます。
- 弱み:Webページの機能やロジックを制御できないこと
-
CSSは、文書の見た目やレイアウトを設定する言語であって、文書の機能やロジックを設定する言語ではありません。例えば、CSSでは、ユーザーの入力や操作、データの送受信や処理、条件や繰り返し、関数や変数などを扱うことができません。そのため、CSSだけでは、Webページに動的な動きやインタラクティブな機能を追加することができません。
- 強み:Webページの動きや機能を追加できること
-
JavaScriptは、プログラミング言語と呼ばれる種類の言語で、データを操作したり、プログラムの流れを制御したりすることができます。例えば、JavaScriptでは、ユーザーの入力や操作、データの送受信や処理、条件や繰り返し、関数や変数などを扱うことができます。また、JavaScriptは、DOMやWeb APIという仕様を使って、HTMLやCSSの要素を操作したり、ブラウザの機能を利用したりできます。
- 弱み:ブラウザや環境によって動作が異なること
-
JavaScriptは、ブラウザで解釈される言語であるため、ブラウザの種類やバージョンによって、JavaScriptの仕様や対応状況が異なります。例えば、JavaScriptの新しい機能や構文は、古いブラウザでは動作しないことがあります。また、JavaScriptは、ブラウザ以外の環境でも使われることがありますが、その場合は、ブラウザ固有の仕様や機能が使えないことがあります。そのため、JavaScriptでは、ブラウザや環境の違いに注意する必要があります。
HTML, CSS, JavaScriptの統合と分離
HTML, CSS, JavaScriptは、それぞれ異なる目的と特性を持つ言語ですが、互いに連携してWebページを構成します。そのため、それぞれの言語のコードをどのように配置するかを考えることが重要です。一般的には、HTML, CSS, JavaScriptのコードを統合する方法と分離する方法があります。
統合する方法とは、HTMLファイルの中にCSSやJavaScriptのコードを埋め込む方法です。例えば、HTMLファイルの<head>
タグの中に<style>
タグや<script>
タグを使って、CSSやJavaScriptのコードを書くことができます。また、HTMLファイルの<body>
タグの中にも、<style>
タグや<script>
タグを使って、CSSやJavaScriptのコードを書くことができます。統合する方法の利点は、HTMLファイルだけでWebページを作成できることです。統合する方法の欠点は、HTMLファイルが長くなりやすく、コードの管理や再利用が困難になることです。
分離する方法とは、HTMLファイルとCSSファイルやJavaScriptファイルを別々に作成し、HTMLファイルからCSSファイルやJavaScriptファイルを参照する方法です。例えば、HTMLファイルの<head>
タグの中に<link>
タグや<script>
タグを使って、CSSファイルやJavaScriptファイルのURLを指定することができます。また、HTMLファイルの<body>
タグの中にも、<script>
タグを使って、JavaScriptファイルのURLを指定することができます。分離する方法の利点は、HTMLファイルとCSSファイルやJavaScriptファイルを分けて管理や再利用ができることです。分離する方法の欠点は、HTMLファイルとCSSファイルやJavaScriptファイルの間に依存関係が生じることです。
HTML, CSS, JavaScriptの違いを知ることで、それぞれの言語の役割と特徴を比較することができます。HTML, CSS, JavaScriptは、それぞれ異なる目的と特性を持つ言語ですが、互いに連携してWebページを構成します。そのため、それぞれの言語のコードを統合する方法と分離する方法を使い分けることが重要です。
まとめ
この記事では、HTML, CSS, JavaScriptという3つの言語の違いと関係性について解説しました。
HTML, CSS, JavaScriptの違いと関係性を理解することで、Webページの作成や開発に役立つ知識やスキルを身につけることができます。HTML, CSS, JavaScriptは、それぞれ異なる目的と特性を持つ言語ですが、互いに連携してWebページを構成します。そのため、それぞれの言語の読み込みと実行、操作と変更、通信と交換には注意する必要があります。
この記事では、HTML, CSS, JavaScriptの基本的な違いと関係性について解説しましたが、これらの言語には、さらに応用的な技術やトピック、フレームワークやライブラリ、ツールやリソースなどがあります。
自分好みのWebページを作成したい人は、ぜひ学んでみてください。